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オーバム プレスリリース



2010年6月第2週、シスコ社は3年目を迎える年次調査 「Visual Networking Index」で、世界のIPトラフィックに関する今後の見通しを発表しました。それによると、2014年には、HDTV、 3DTV、VoD、インターネット・ビデオ、そしてP2Pの成長により、世界のユーザーによるIPトラフィックの91%がビデオによって占められると予測しています。細部について異論を唱える向きもあるものの、この予測はシスコの市場展望と戦略における具体的な方向性と見解を提供するものです。シスコの発表した予測の根幹は、サービスプロバイダーは動画配信のトラフィックの増加による増収を受けて、自社ネットワークへの継続的投資が可能となるであろう、という点です。しかし、ビデオトラフィックを可能にするインフラに投資するのは、どのような企業になるのかは不透明です。


オーバムの主席アナリスト ジョン・マズール(John Mazur) のコメント:
2009-2014年の世界規模でのIPトラフィックは複合年間成長率34%で、2009年レベルの4.3倍が見込まれています。現在の「プロシューマー(一般消費者によるプロフェッショナル向け製品の購入)」トレンドを反映し、全トラフィックのうちビジネス関連のトラフィックは、2009年の21%から2014年には13%に落ち込むと見られます。

以下に続く



シスコ、2014年までにトラフィック量4倍を予測 その実現方法も提示

2010年6月11日
オーバム主席アナリスト ジョン・マズール(John Mazur)

シスコVNIサマリー – ビデオがIPトラフィック増加を推進

シスコのサービスプロバイダー・マーケティンググループが実施した今年度Cisco Visual Network Index (VNI) は、昨年度と比較して多少の変化をみせつつも、動画配信を主体とした高いIPトラフィック成長率を予測しており、2009-2014年における世界のIPトラフィックは複合年間成長率34%と2009年の4.3倍が見込まれています。現在の「プロシューマー」トレンドを反映して、全トラフィックのうちビジネス関連トラフィックは、2009年の21%から2014年には13%に落ち込むと見られます。VNIは、シスコがテクノロジーやビジネス上のビジョンやロードマップを支えるにあたり、効果的なツールとされています。

「作れば人は来る」のアンチテーゼ – 「人は来る、でも誰が作るのか?」

「Visual Networking Index」 の発表に先立ち、シスコ執行部は産業アナリストを招いて初の四半期ビジネスアップデートを行い、サービスプロバイダー市場における同社のストラテジーとビジョンを提示しました。そこでは、テクノロジーを手にしたエンドユーザーが、サービスプロバイダー提供の個人サービスに支出するB2B2C (business to business to consumer) をベースとした「双方向性」ビジネスモデルについて言及されました。しかし、既存のネットワーク・サービスプロバイダー (NSP) には、2年後にどこから収益が来るかを考えて、従来のテレコム型ビジネスモデルは捨て、収益増加が見込める新しいモデルを採用するという決断が要求されます。シスコが革新を進めるIP NGNのビジョンでは、「ネットワークはプラットフォーム」であり、そのプラットフォームとは、クラウドサービス・IPネットワーク・ユーザーデバイス、という三者を統合し、ユニークなユーザー・エクスペリエンスを提供するものと捉えられています。また、収益を上げながらも個人サービスへのエンドユーザーの期待に応える、という相互利益追求のため、NSPとオーバー・ザ・トップ (OTT: over-the-top) 企業との提携の必要性がほのめかされています。シスコのサービスプロバイダー技術戦略は、コンテンツ・デリバリー・ネットワーク (CDN) をサポートするIP設備の提供を目指しています。このCDNとは、コアからアクセスへというように 「北から南へ」 作動するだけでなく、データセンターからデータセンターへというように「東から西へ」作動し、エンドユーザーにより近い位置でビデオ・コンテンツをキャッチし、ネットワークインテリジェンスを付加するシステムです。こうしたクラウドベースのCDNはビジネスにおける大規模な提言であり、OTT企業を価値あるパートナーに変えてB2B2Cのバリュー・チェーンを完成させるものとなる可能性があります。したがって、IPビデオトラフィックの成長に誰が投資するか、という問いに対するシスコの答えは、ずばりOTT企業となるのです。

ネットワーク・サービスプロバイダーが提供するクラウドベースのCDNは既に登場しています。一例として、AT&T のBlizzard Entertainment向けクラウドマネジメントは、オンラインゲーム「World of Warcraft」のプレイヤーによるパフォーマンスへの厳しい要求に応えています。まだ企業間では検討を開始していないものの、ウェブベースのコンテンツプロバイダーが、自らコンピューティングネットワークを構築するのではなく、シスコのインフラ設備を利用し、NSPの管理するクラウドベースのCDN利用へ転向するよう、シスコは提案しています。

VNIはネットワークに関するシスコのビジョンとロードマップの基盤

シスコは的確な判断に基づき市場のオピニオンを誘導することで、顧客の信頼を集めてきた実績があります。シスコのNSP製品は必ずしも最高というわけではなく、価格面でも業界をリードしてはいませんが、市場に対する見通しやロードマップは極めて優れています。サービスプロバイダーは資本の投資に長期的な見返りを期待しており、効果的なストラテジーを立てられるベンダーを重要視しています。サービスプロバイダーのIPルーティング市場における競争が激化するなかで、そのビジョンをもって優位に立とうというのがシスコの狙いです。「上げ潮はすべての船を持ち上げる(好調な企業が市場全体に活況をもたらす)」ため、シスコのIPルーティングビジネスにおける競合企業(ジュニパー、アルカテル・ルーセント、華為(Huawei)、テラブス、エリクソン、ZTEなど)も、過去にVNI予測を問題にすることはなく、今回もそうした動きは起こらないと見られています。

以上



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