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オーバム プレスリリース
クラウド・コンピューティングにおける通信事業者の課題
2010年5月12日
クラウド・コンピューティング・サービスに優れたパフォーマンスとセキュリティを求める企業の要求に応えて、プラットフォームを堅牢なセキュリティのネットワークに統合できるならば、通信会社にとってクラウド・コンピューティングは新たな企業向けのサービスを提供する機会となります。しかし、クラウド・コンピューティングのプロバイダーとしてCIO(最高情報責任者)をはじめとしたIT戦略の意思決定者の信頼を勝ち取れるかどうかが、通信会社の課題といえるでしょう。
過去2年間、企業にコンピューティングとアプリケーションを提供する新たな有望モデルとして、クラウド・コンピューティングはIT業界注目の的となりました。さらに最近では、グローバルにもローカルにも主要通信事業各社が、IaaS (Infrastructure–as–a-Service) など独自のクラウド・コンピューティング・サービスの開発・販売開始を進めており、IT産業界の大手企業が提供するソリューションと真っ向から張り合う姿勢をとっています。たとえば、この1年間でベライゾン ビジネス はCaaS (Computing–as–a-Service) を、また英国のBTはVirtual Data Centerを、それぞれ提供開始しています。
しかし、業界内ではこのように何かと話題となっているにもかかわらず、オーバムの調査では、クラウド・コンピューティングが必ずしもCIOやIT管理者の優先事項ではないことが明らかになっています。「とはいえ、先陣を切って市場参入した大手通信会社は、クラウド・コンピューティング市場がさらに導入を加速する段階に入る以前に、存在感と信頼性を誇示できる機会をとらえることが可能です」と、OVUMのプリンシパル アナリストのピーター・ホール (Peter Hall) は分析しています。
クラウド・コンピューティング市場は未だ発展途上にあり、salesforce.com やWebEx など、一部のSaaS (Software–as–a-Service) ソリューションは広く開発が進んでいるものの、IaaS サービス導入は市場全体からみると初期段階にとどまっています。
オーバムの調査では、クラウド・コンピューティングに見込まれる長期的利益には肯定的なCIOやIT管理者が、現在のところはその導入を重要視していないことが判明しました。「これはつまり、今後2,3年のあいだ、IaaS に対する売り上げの伸びは低めにとどまる可能性が高いということになるでしょう。」と、ピーター・ホールは付け加え、「同時に、通信会社がこの市場で信頼を勝ち得るのにも2,3年はかかる可能性があります。だからこそ、いち早い市場参入が長期的に有利なのです」と述べています。クラウド・コンピューティングのインフラを社内で使用することにより多少の相殺は可能であるものの、IaaS の開発導入コストは企業にとってはかなりの負担です。しかし同時に、重要な社内アプリケーションにクラウド・コンピューティングのインフラを利用するということで、この新しいサービスに賭ける企業の意気込みを外部の顧客に伝える役目も果たします。
信頼性の問題は決して軽く見ることのできないものです。図1は、オーバム がCIOやIT管理者を対象に、クラウド・コンピューティング サプライヤーの選択について質問した企業アーキテクチャ調査の結果です。本調査中、現在考えているクラウド・コンピューティング・サービスのサプライヤーとして通信事業会社を挙げた回答者は、半数にも達しませんでした。代わりに過半数が大手ISV (サードパーティのソフトウェア開発・販売会社)を、また4分の1以上の回答者が大手SI(システムインテグレーター)を選択しました。
図 1: クラウド・コンピューティング サプライヤーの選択における優先事項
Source: Ovum Enterprise Architecture Survey 2010 | ©Datamonitor
「これは意外な結果ではありません。クラウド・コンピューティング市場へはごく少数の通信事業者しか参入していないために存在感が非常に薄いのです」と、ピーター・ホールは解説しています。市場において、通信会社は単に競合するサービスというだけではなく、セキュリティ、パフォーマンス、SLA (サービス品質保証制度) などの点で、自社が最良のソリューションを提供できるということを、証明する必要があります。それには、クラウド・コンピューティング・サービスへ安全かつ高可用性アクセスを提供するにあたり、自社のコア資産であるネットワークの活用が要求されることになります。
IaaS 市場への参入を検討している通信事業者は、こうしたサービスを社内だけで開発できるのか、それとも既存の開発企業との協力・提携を考えたほうが有利なのかを評価する必要もあります。ローカルマーケットでの利害や競争を把握し、クラウド・コンピューティングの提供をスムーズに進めるうえで、グローバルな通信パートナーを含め、どのベンダーが有用かも判断しなければならないでしょう。
一方、SaaSやCaaS、UCaaS (Unified–Communications–as–a-Service) 市場での競合はIaaS 市場における場合よりもリスクは低くなります。これはSaaSやCaaS、UCaaSのほうがインフラに対する要求が少なく、通信会社のホスティングが不要な再販モデルとして提供できるからです。しかし、SaaSやCaaS/UCaaSが単独では長期的に大きな利益は見込めない上に、信頼のおけるサービスプロバイダーとして顧客に認知されるという点においては、IaaS 市場ははるかに大きな成功のチャンスを秘めていると考えられます。
以上
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製品コード: OVUM052168
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